薬は光・温度・湿度に大変影響を受けます。保存状態が悪いと変化を受けやすく、効果の上にも悪影響を与えます。特に、梅雨時や夏場など高温多湿時の薬の保管には十分な注意が必要です。薬の効果を十分に発揮させ、かつ安全に服用するためには、薬に適した保管をすることが大切です。以下、主な薬の保存上における注意事項をあげます。
(1)散薬、錠剤、カプセル剤
特別の指示のない場合、原則として低湿度で高温にならないような場所、例えば缶の中や引き出しの中など涼しい所に保管して下さい。
(2)水薬
冷蔵庫に保管して下さい。水薬のカップ、水薬ビンの口などは細菌汚染を受けやすいので、常に清潔に保ちましょう。また水薬は水などで薄めていますので、長期保存すると腐敗するおそれがあります。1週間以上たった薬は服用しないようにして下さい。ただし、原液(水などで希釈していないもの)の薬は処方された日数まで保存可能です。
(3)外用薬
内服薬と同じ場所でかまいません。しかし、坐薬は薬自体が体温で溶けるように作ってありますので冷蔵庫に入れるか、なるべく涼しい場所に保管して下さい。また、使用中の点眼薬は細菌に汚染されやすいので、開封後はきちんとふたを閉め、2週間をめどにお使い下さい。
インスリン注射液は糖尿病の治療に使われる薬の一つです。インスリンは凍結を避けて冷蔵庫に保管することによって品質が保証されます。(決してフリ-ザ-の中には入れない下さい。)
旅先では次のことを参考に取り扱って下さい。
(1)ペンタイプの時はセットしたものはそのまま持ち歩いて下さい。セットしたペンを冷蔵庫には入れないで下さい。
(2)海外旅行の時は移動時間はそのまま携帯し、ホテルに着いたらすぐに冷蔵庫に入れて下さい。
この時、身体に密着させて携帯すると、体温により温度が上がりますのでポケットやハンドバッグなどに入れ、なるべく温度が上がらないように携帯して下さい。
(3)常温(15~25℃)であれば約1カ月は大丈夫ですが、気温の高い場所で長時間の携行にはク-ルパック等の工夫が必要です。
また、バイアル瓶に有効期限が書かれています。有効期限を過ぎたものは使用しないで下さい。
ほとんどの目薬は室温で保存することができます。病院で「冷たいところにおいて下さい」と指示されたものは冷蔵庫に入れて下さい。
目薬の中の成分は温度に強いものが多いのです。炎天下の車の中など、特に高温になる場所には注意が必要ですが、直射日光が当たらないように気をつければ室温で大丈夫です。また、目薬の中に含まれている防腐剤は、室温の方がかえって効果が高まる場合があります。
大切なことは、目薬を冷蔵庫に入れておくことより、目薬を清潔に取り扱うことです。目薬をさす前には手をよく洗い、キャップを開けた後は容器の先がまぶたの縁やまつげに触れないように上手にさし、点眼後はキャップをすぐにしめて下さい。そして目薬は太陽光線には弱いものが多いので、点眼した後はもとのビニ-ル袋にいれて保管して下さい。
一度開封し、使った目薬は1カ月位を目安にし、新しいものと交換して下さい。
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