2種類以上のめぐすりが同時に処方されたときは、続けてさすことは避けましょう。違った種類のめぐすりを続けてさすと、それぞれのめぐすりが薄まってしまったり、くすりが目からあふれてしまい十分な効果が得られません。また、めぐすりが混ざり合って効き目に影響が出たりすることもあります。めぐすりがしみ込むのに少し時間がかかります。2種類以上のめぐすりを続けてさす時は、少なくとも3~5分間以上の間隔をおいて次のめぐすりをさして下さい。そうすれば、それぞれのめぐすりの効果を上手に発揮させることができます。
特に指示のない場合、十分間隔をあけてめぐすりをさせば、順番を気にする必要ありません。ただし、眼軟膏が処方されているときは、効果の発現が液体のめぐすりより緩やかで効き目が長いので、最後に点入するようにして下さい。
また、めぐすりをさす回数が1日3回ならば朝・昼・夕、1日4回ならば朝・昼・夕・ねる前というようにできるだけ等しい間隔になるようにさして下さい。
1滴で十分です。
目の中に収まる目薬の量は、1滴のせいぜい半分くらいです。1滴以上さしても目の中には入りきれずにあふれてしまいます。かえってあふれでた目薬に含まれる防腐剤などによって目のまわりを荒らしてしまうこともあります。上手に1滴を点眼して下さい。また、目薬をより染み込ませようと思って、まんべんなく目の周りや目の奥に行き渡るようにパチパチとまばたきをしている方がいらっしゃいます。これはかえって逆効果なのです。目薬は、そのほとんどが目の表面にある角膜から吸収されますが、目薬をさした後、パチパチとまばたきをすると点眼液は涙と一緒に涙の排水路を通って目から鼻へと抜けてしまいます。目薬の吸収をよくするためには、目薬をなるべく目の表面にとどめておかなければなりません。1滴を上手に点眼した後は、目薬が目から逃げてしまわないように、しばらくの間、まぶたを閉じておくことが大切です。
赤ちゃんや小さなお子さんに、解熱剤などで、坐薬がよく処方されます。しかし、1回1個では量が多いため、1回1/2個や1/3個または2/3個で処方されることがあります。
切り方のコツをお教えしましょう。
(1) 坐薬は体温で溶けてしまうため、包装から取り出して手に直接もって切ると、溶けたり、すべったりしてうまく切れません。なるべく、直前まで冷蔵庫など冷たいところに入れておきます。
(2) 包装から取り出さずに、包装の上からハサミなどでななめに切って下さい。残りは、切口をアルミホイルなどで覆い、何の薬かをわかるようにして冷蔵庫に保管して下さい。
打撲、ねんざ、筋肉痛、肩こり、腰痛といった症状には、湿布薬がよく処方されます。
湿布には、ク-ルタイプ(冷感湿布)とホットタイプ(温感湿布)とに分けることができます。次にそれぞれの特徴をあげます。
ク-ルタイプ・・・薬剤(膏体)に含まれる水分で患部を冷やしながら有効成分の消炎・鎮痛効果を期待しようというものです。一般的に、腫れや熱感を伴う打撲、ねんざなどの急性疾患に適しています。
ホットタイプ・・・皮膚に温感刺激を与えて患部の血行をよくし、患部に溜っている老廃物を取り除きながら、有効成分の消炎・鎮痛効果を期待しようというものです。一般的に肩こりや腰痛などの慢性疾患に適しています。
冷やす、温めるの見極め方としては、原則はあるものの基本的には冷やした方が気持ちよく快適であればク-ルタイプを、温めた方が快適であればホットタイプを使用することが最も高い治療効果をあげるといわれています。ただし、閉塞性血栓血管炎や閉塞性動脈硬化症などの末梢循環不全のある場合は、例え手足が冷たくても温めてはいけません。
湿布剤を使う時には次のことに注意して下さい 。
・同じ場所に長時間はらないようにしましょう。
・入浴の1時間前にははがし、入浴後は30分くらいたってからはりましょう。特にホットタイプの場合は、入浴により強い痛みや刺激を感じることがあります。また、貼ったままコタツや電気毛布などで温めないようにしましょう。
薬を眼にさす点眼薬はご存知だと思いますが、耳にも薬をさす『点耳薬』というものがあります。点耳薬は、一般に中耳炎や外耳炎などに使います。使用方法として、よく耳浴と呼ばれる方法で行われます。
耳浴とは
(1)悪い耳を上にして横向きに寝ます。
(2)悪い耳に容器が直接触れないように注意し、点耳薬を数滴~10滴ほど耳に滴下し、約10分間ほどそのままの状態を保ちます。
(3)その後、きれいなガ-ゼ等を耳にあて起き上がり、耳の外に流れ出た点耳薬を拭き取ります。
この時、注意しなければならないのが点耳薬の温度です。冷蔵庫などで冷たくなっている点耳薬をさしたりすると、『冷たくて気持ちいい!』なんて言ってられません。それどころか、逆に激しいめまいを起こすこともあるのです。ですから、点耳薬は手で暖めてできるだけ体温に近い状態で使いましょう。
口内炎に使用するぬりぐすりは、口の中にぬることにより、口中の水分によってゼリ-状に固まるような製剤になっています。次の順序でぬって下さい。
1) まず、手を洗い、指先を清潔にしましょう。
2) お口の中をすすいできれいにしましょう。
3) ティッシュペ-パ-やガ-ゼなどで軽く押えるようにして患部のまわりの水分や唾液をぬぐってください。
4) 患部を覆うだけの量の薬を指先にとります。
5) 鏡などをみて、患部のまわりから静かにおおうようにつけます。つけた後、舌でさぐらないようにし、しばらくは食べ物・飲物控えましょう。食後やおやすみ前につけるのがよいでしょう。特に指示のない場合は、1日に1~数回つけて下さい。
6) 使用後はキャップをきちんとしめて保管して下さい。
心臓病のお薬には、のみ薬以外に、皮膚に直接貼ることによって効果をあらわす薬(貼り薬)があります。この薬は、皮膚を通して体の中に吸収され、心臓への酸素や栄養を供給している冠血管をひろげます。これらの貼り薬は、貼り方が不完全だったり、途中ではがれると期待した効果が得られません。下記の注意事項を読んで正しくお使い下さい。
貼る場所
貼る場所を清潔なタオルなどでふいてから、汗をかきにくい所に貼って下さい。一般には胸部、上腹部のいずれかに貼りますが、主治医の指示があれば指示に従って下さい。
同じ場所に続けて貼ると、赤くなったり、かぶれたりしますので前と同じ場所を避けて下さい。
傷口、かぶれ、発赤のある場所には貼らないで下さい。
使用上の注意
貼りかえる時間は、なるべく毎日同じ時間にして下さい。
初めて使う人は、最初の頃、頭痛や立ちくらみなどが起こることがありますが、使っているうちにこれらの症状は軽くなることが多いです。症状がひどい時や続く場合は主治医または薬局にご相談下さい。
数週間以上、この薬を使っている人は急に使用を中止しないで下さい。急に使用を中止すると狭心症発作を再発することがありますので、必ず主治医の指示に従って下さい。
薬には、点眼液のほかに軟膏剤があります。外皮用軟膏剤とは違って、眼につけるものを特に眼軟膏と言います。
眼軟膏をつけるには、チュ-ブから直接つける方法と、眼軟棒を用いる方法とがありますが、眼軟棒は診察場などで主に使用されるため、ここでは省略します。
眼軟膏をつけるには、次の方法で行って下さい。
1) 手を石鹸でよく洗い、チュ-ブの先を清潔なガ-ゼかティッシュで拭いて下さい。
2) 鏡を見ながら、下まぶたを軽く引き、チュ-ブの先がまぶたやまつげ、眼球に触れないように注意しながら、チュ-ブを少し押して下まぶたに薬をつけます。
3) まぶたを閉じ、軽くマッサ-ジをして下さい。強く押さえないように注意して下さい。はじめのうちは、少しかすみがかかったようになりますが、しばらくすると治ります。
4) チュ-ブの先を清潔なガ-ゼかティッシュで拭き、ふたをして下さい。
眼軟膏は、1日1回ねる前に使用する場合がほとんどですが、点眼液とともに2種類以上同時に使用する場合は、点眼液をつけて3~5分たってから最後に眼軟膏をつけるようにして下さい。
また、眼軟膏のチュ-ブは、汚染されないように注意し、開封後は1カ月以内に使用しましょう。
頓服薬とは、発作時や症状のひどいときに用いる薬です。解熱剤、鎮痛剤、下剤、睡眠剤、狭心症発作を抑える薬などがあります。
ただし、頓服薬としての指示がない場合、または特に医師から一時的に服用するような指示がない場合は、それぞれ決められた時間にきちんと服用して下さい。
以下、主な頓服薬の用い方を説明しましょう。
解熱剤:通常、38.5℃以上の時に服用します。効かないからといって続けて服用してはいけません。最低3~4時間はあけて下さい。
鎮痛剤:頭痛、腹痛、歯痛、その他の痛みのある時に服用します。これも続けて服用する場合は、3~4時間間隔をあけてください。
下剤:便秘の時に服用します。通常、寝る前に服用すると翌朝便通があります。
睡眠剤:眠れない時に服用します。医師の指示に従い、1回量を厳守して服用しましょう。乱用してはいけません。
狭心症発作止めの薬(舌下錠):狭心症の発作が起こった時に服用します。舌下錠というのは舌の下、または歯ぐきと頬の間に錠剤を入れて服用するもので、口腔内の粘膜から直接吸収されるため、通常1分以内に効果が現れます。かみ砕いたり、のみこんだりしないように注意して下さい。
塗る回数はどれも一般には1日2~3回です。医師から「何回」という回数の指示がある場合は、指示に従って下さい。
何種類もの塗り薬が処方された場合は、塗る場所、回数を間違えないように気をつけましょう。間違えると症状が悪くなったりすることもあります。
塗り方はどの種類もたっぷりと塗る必要はありません。患部に薄くのばすように塗れば良いでしょう。塗った後は傷口がある患部や医師からの指示以外は、包帯・ガ-ゼなどあてない方が良いでしょう。必要以上に包帯・ガ-ゼなどをあてると、効果が強く出過ぎる薬もあります。
もちろん、塗る時は手をきれいに洗ってからにしましょう。また、風呂上がりなどに塗る習慣をつければ、忘れないし効果的ですよ。
点鼻薬は、鼻づまり、嗅覚障害、アレルギ-などに使用します。
使い方には、点鼻して用いる方法と噴霧して用いる方法とがあります。次の方法で行って下さい。
(1)使用する前に静かに鼻をかんで下さい。
(2)手をきれいに洗って下さい。
《点鼻して使用する場合》
(3)起立したり、起きあがっている場合は頭を後方に傾け、横になっている場合は枕を肩の下にあてて頭を傾け、鼻が上を向くようにして下さい。
(4)容器の先が鼻等に触れないように気をつけながら点鼻液を鼻腔内に滴下して下さい。
(5)点鼻後、鼻の中に薬がよくゆきわたるように、2~3分間そのままの姿勢でいて下さい。
《噴霧して使用する場合》
(3)頭を少し後ろに傾け、点鼻薬の容器の先端を軽く鼻の中に入れ、指ではさんで、強く押すと薬液は霧状となり噴霧されます。
専用噴霧器を用いて鼻腔内に噴霧する薬剤は必ず説明書をよく読んでお使い下さい。
使い方がよくわからない時や、うまく点鼻できない時、また何かお気づきの点がありましたら、薬剤師にお尋ね下さい。
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