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服用方法(内服)

服用方法(内服)

問1 解熱剤はどのくらい間隔をあけたらいいですか?

熱がある時、薬が効かなくて、ついもう1回使用してはいけないのだろうかと考えてしまうことがよくありますね。
解熱剤を使用する場合、大人の場合、平熱+1度、平熱がわからない場合は38℃、小児の場合は38.5℃を目安として使用して下さい。
薬は吸収されて、血液にのって全身をかけめぐります。薬によって、個人個人で異なりますが、その血液中の濃度は錠剤などの内服薬では3時間後、坐薬では2時間後ぐらいに最高になります。
ですから、すぐ効かないからといっても、これから薬が体の中をまわって熱と戦ってくれるわけですから、少なくとも3~4時間位は間隔をあけて服用した方がよいでしょう。ただし、これは、現在熱を出して苦しんでいる場合の時間設定であり、事情が許せばもう少しその間隔を広げるにこしたことはありません。

問2 薬をのみ忘れた時はどうすればいいですか?

薬の作用によって多少の違いはありますが、基本的には、思い出したのが次回の服用以前ならのみ忘れた分を服用し、次回の服用時刻に近ければ服用間隔が4~5時間になるように後へずらします。ただし、1日1回の場合は8時間間隔をあけましょう。
また、服用を思い出したのが、次回の服用時に至っていれば前回分はもう服用しないということになります。2回分を一度にのむのは危険ですから避けましょう。
ただし、鎮痛剤のように胃を荒しやすい薬の場合は、できるだけ空腹を避けるようにしたほうがよいでしょう。

問3 カプセルをはずしてのんでもいいですか?

カプセル・錠剤などは、胃の中で薬のすべてが溶け出して消化・吸収されないように表面に特殊な加工がしてあるものがあります。これらの薬を、カプセルをはずして服用したり、錠剤を砕いて服用すると、薬自身の効果が無効になったり、また、半減してしまうことがあるからです。
カプセルが服用しにくい場合は、医師または薬剤師に相談して下さい。薬によっては、はずしたり砕いたりできるものもあります。
多めの水を口にふくみ、そこに薬をおとして一気に飲めば、大体の薬は服用できるはずです。

問4 薬によってのむ回数が違うのはどうしてですか?

薬を数種類もらうとその薬によってのむ回数が違うので、のむのを忘れてしまったり、全ての薬が同じ回数にならないかなどと思ったことが1度はあると思います。
薬は、胃腸で溶解し吸収されます。そして、体内に吸収された薬は尿などから排泄します。薬が効果を表わすには体内に一定量吸収されなくてはなりません。また、逆に多くなり過ぎても悪い影響を及ぼします。
そこで、薬の吸収・排泄の多少により1日1回で一定量維持できるか、または1日に数回のまなくては一定量を維持できないかなどを考慮して回数を設定するのです。ホルモン剤などでは体内でのホルモンの分泌の波に合わせて投与回数を設定するものもあります。
このように、回数を無視して自己判断で薬をのむと、薬の効果が表われなかったり、体に悪い影響を与えたりすることもあります。回数は、薬袋の指示にしたがっておのみください。

問5 薬を食後にのむように指示されたのですが、食事を取らない場合はどうすればいいですか?

効果を持続させるため、時間を決めて服用するのは、絶えず時間を気にしなくてはならないし、飲み忘れやすいため、薬は、食事と関連づけて処方される事がよくあります。また、食後だと、胃に対する負担を軽くすることもできます。食事と関連づけて服用の指示があった場合、食事をしなくても薬は服用して下さい。ただし、鎮痛剤など胃腸障害の起こりやすい薬は、胃に対する負担を考え、少しでも何か口にしてから服用して下さい。それも無理ならやや多めの水で服用するようにしましょう。
なお、糖尿病の薬(経口血糖降下剤)については、食事をとらずに薬をのむと低血糖のおこる危険がありますので、あらかじめ医師に聞いておいて下さい。

問6 漢方薬は食前・食間に服用した方がいいですか?

漢方薬は古来より水で煎じて服用され、苦みや臭みが強く、食後に服用すると吐き気を伴うことがあり、食前や食間に服用する方がよいといわれていました。しかし、現在病院などで処方される漢方薬はエキス顆粒となっており、たいへん服用しやすくなっているため、食後に服用しても問題はありません。
漢方エキス剤には、非常に多くの成分が含まれ、また各々の有効成分の濃度が非常に低いため、少しでもその吸収率をよくするということから、空腹時に服用すると、効果が最大に発揮されるといわれています。
しかし、成分の中には食後の方が吸収のよい場合もあり必ずしもこの限りではありません。また、八味地黄丸といった漢方薬には地黄という生薬が含まれており、消化器に刺激を与えやすいので、下痢、胃腸障害等の症状があったら、むしろ食後に服用したほうがよいでしょう。いずれにしても、忘れずに服用することが大切です。もし、のみ忘れに気づいたら、気づいた時点で1回分を服用して下さい。

問7 薬は指示された個数以上のんでもいいですか?

薬の服用個数及び回数は、その薬の性質や患者の症状によって決まっています。
薬には、服用個数に比例して効き目が増すものと、ある一定量を越えるとそれ以上は効き目を増さないものとがあります。例えば後者の場合、水溶性ビタミン(ビタミンB・Cなど)はある一定量を越えるとそのままのかたちで尿として排出されます。
薬は主作用(治療の目的とする作用)と常に抱き合わせて副作用(治療の目的とする以外の作用)をもっています。多量に薬をのむと副作用が発現したり、増強したりします。また、少量の個数の増加でも、毎日服用することにより体の中に少しずつ蓄積され重篤な副作用が発現することもあります。
逆に症状がよくなったので服用個数を自己判断で減らす場合もありますが、少量ではいくら長期間のんでもまったく効き目を現わさない薬もあります。
薬の服用個数及び回数は、症状がよくなった、悪くなったからといって自己判断で増やしたり減らしたりすることはやめて下さい。変更する場合は、医師または薬剤師に相談ください。

問8 薬を1日3回のむのは煩わしいのですが?

1日にのむくすりの数が減ったのに、どうして同じ効果があるのだろうと思いますよね。
薬を1日数回に分けて服用するのは、患者さんにとって煩雑であり、のみ忘れの原因にもなります。近頃では、1回の服用で長時間にわたり効果を発揮するようにつくられた持続性薬剤と呼ばれる薬が数多くでてきました。これは、1日1~2回の服用で十分な効果が得られるよう設計された薬です。それでは、実際にどのようなもので、どのように作用するのか、代表的な錠剤の例で説明しましょう。

I.多層錠
速放性顆粒(薬が速やかに溶け出す)と徐放性顆粒(薬が徐々に溶け出す)を上下二層あるいは三層に分けて錠剤としたもので、最初に速放性顆粒が溶け出しすみやかに吸収され、続いて徐放性顆粒が溶け出し効果が持続します。よくスパンスルカプセルという言葉を耳にすると思いますが、これは、この速放性・徐放性の顆粒を適当な割合でカプセルに詰めたものです。

II.複効錠
内層・外層からなり、内側には特殊な被膜をした錠剤を内蔵し、外層は胃で内層は腸で溶け、効果が持続するように製造された錠剤です。
現在では、多くの種類の薬剤が開発され、それぞれの特長を有しています。外観では、ただの錠剤に見えても、内部には特殊な加工をされているものがあり、錠剤をかんだりすると十分な効果が得られない場合があります。特に指示のない場合は、コップ一杯の水で服用して下さい。

問9 頓服薬とはどういう薬で、いつ服用するのですか?

頓服薬とは、発作時や症状のひどいときに用いる薬です。解熱剤、鎮痛剤、下剤、睡眠剤、狭心症発作を抑える薬などがあります。
ただし、頓服薬としての指示がない場合、または特に医師から一時的に服用するような指示がない場合は、それぞれ決められた時間にきちんと服用して下さい。
以下、主な頓服薬の用い方を説明しましょう。
解熱剤:通常、38.5℃以上の時に服用します。効かないからといって続けて服用してはいけません。最低3~4時間はあけて下さい。
鎮痛剤:頭痛、腹痛、歯痛、その他の痛みのある時に服用します。これも続けて服用する場合は、3~4時間間隔をあけてください。
下剤:便秘の時に服用します。通常、寝る前に服用すると翌朝便通があります。
睡眠剤:眠れない時に服用します。医師の指示に従い、1回量を厳守して服用しましょう。乱用してはいけません。
狭心症発作止めの薬(舌下錠):狭心症の発作が起こった時に服用します。舌下錠というのは舌の下、または歯ぐきと頬の間に錠剤を入れて服用するもので、口腔内の粘膜から直接吸収されるため、通常1分以内に効果が現れます。かみ砕いたり、のみこんだりしないように注意して下さい。

問10 鉄剤はお茶と一緒にのんではいけないですか?

かなり以前から、鉄剤と緑茶に含まれるタンニンという成分が結合するため、消化管から吸収される鉄の量が少なくなるといわれてきました。そのために、鉄剤を服用中の患者さんには緑茶・コ-ヒ-などといったタンニン含有飲料の摂取をひかえるように指導されてきました。
しかし、近年詳しく実験が行なわれた結果、貧血患者では体内の鉄量が減少した状態にあり、腸管からは効率よく鉄が吸収されます。ですから、タンニンによる吸収阻害は無視できる程度と考えられるわけです。つまり、必要とされる鉄の量は必要なだけ吸収されるということです。
最近では、鉄が徐々に溶け出す錠剤が開発され、これらの薬品では吸収抑制を全く受けないことがわかっています。
日常生活において、食後の緑茶・コ-ヒ-は、習慣的なものです。鉄剤を服用しているからといって緑茶やコ-ヒ-を気にすることは全くないといえるでしょう。

問11 薬をのむとき、どれくらいの量の水でのめばいいのですか?

「コップ一杯くらい」というところが妥当な量でしょう。
薬をのむ場合、口から食道に移行すると薬をのんだという感覚になりますが、薬はさらに食道から胃へと流れなくてはなりません。例えば、局所麻酔作用のある抗不整脈剤をのんでいる患者さんが、服用後の胸部不快感や嘔気、胸痛等の経験を訴えることがあります。これらの原因には水の量が少なくて、食道下部のあたりでカプセルが崩壊し、薬の局所麻酔作用のため上記症状をもたらしたと考えられます。また、ある種の抗生物質で就寝前に服用し、食道潰瘍を生じたという例もあります。特に、服用後すぐに横になる場合、就寝前に服用する場合などは注意する必要があります。
また、消化管内で崩壊した薬を溶かすという目的もあります。ある薬では水の量が少なければ吸収が遅くなり、また吸収量の減少がみられ、特に空腹時などの服用には水の量によって、かなり影響されます。
ただし、摂水制限のある患者さんや夜の頻尿等、特殊な事情のある患者さんの場合、医師・薬剤師にご相談ください。

問12 薬を牛乳やお茶でのんでもいいですか?

例えば、抗生物質にテトラサイクリン系抗生物質という薬があります。このお薬は牛乳と服用することによって薬の効き目が減弱します。このように、薬によっては牛乳、お茶、ジュ-スなどといっしょに服用すると期待される効果がなくなったり減弱したり効果が強く出るものもあります。せっかく薬を服用するのですから、必要な効果はあってほしいものですよね。
薬は、コップ一杯の水や白湯で服用するのがベストです。しかし、上記のように特に作用を減弱する薬(薬がそれに該当するかどうかは遠慮なく薬局で聞いてください!)でなければ、お茶や牛乳などでもかまいませんので、きちんと薬を服用することを心掛けて下さい。

問13 舌下錠について教えて下さい!

舌下錠とは、そのままのみこまず、舌の下、または歯ぐきと頬の間に入れて溶かして使用する薬です。この薬は、口の中の粘膜より直ちに吸収されて、全身に運ばれて作用するため、効果の発現がとても早いのが特徴です。
狭心症の発作の時に使うニトログリセリンという薬があります。この薬は、心臓への酸素や栄養を供給している冠血管をひろげる薬で、発作が起こった時、のみ込まずに舌下錠として服用することによって発作がおさまります。
また、同じような薬に硝酸イソソルビドという薬があり、通常は内服しますが、この薬も発作が起こった時に、舌下錠として服用すれば発作をおさえることができます。
このように服用した場合、効果があらわれるのは1~2分ととても早いのですが、効果がなくなるのもとても早いのが特徴です。ただし、どの薬も舌下することにより効果が早いというわけではありません。あくまで、医師・薬剤師の指示のもとお使い下さい。

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